

どっちを選ぶ?ポータブル電源と発電機
野外でも電化製品を使いたい!そんな思いを叶えてくれるのが、ポータブル電源や発電機。特に冬キャンプをする時に、電気毛布やケトルなどが使えるのは魅力的!
いざという時の対策にもなるし、そろそろ、電源確保ができる物を買おうかな?でも、ポータブル電源と発電機、どちらを買えばいいの?
ポータブルと発電機それぞれのメリット、デメリットと共に、どういうシーンにおすすめかを解説します。
ポータブル電源と発電機の違いと特徴
ポータブル電源と発電機、どちらも家庭用コンセントがないところで電化製品を使うためのものですが、電気を生むための仕組みが異なります。
ポータブル電源は「充電池」
簡単に言えば、皆さんが持っているモバイルバッテリーよりも大容量で高出力、高性能なのがポータブル電源です。
モバイルバッテリーとは異なり、ACコンセントが付いているため、スマートフォンやタブレットのみならず、パソコンや電子機器の充電や、電気毛布なども使用可能です。充電池ですからあらかじめ充電しておく必要があります。
また、リチウムイオン電池の特性上、高温多湿の環境は苦手。熱を持つと電池の劣化を早めます。同じく氷点下など、寒すぎるのも苦手。低温環境下では電池の使用時間が短くなります。涼しくて風通しのよい場所なら問題ありません。なんだか、ちょっと人間に似てるかも…?
発電機はその名の通りその場で「発電」


出力電量が大きく、冷蔵庫や電気ケトル、ホットプレート、炊飯器など、消費電力が高い家電も使えます。
充電する必要はなく、燃料さえあれば長時間使い続けられるのですが、ガソリン燃料を使用するため取り扱いには気を付けなくてはいけません。また、エンジンを動かして発電するので、使用時の音も大きく排気も出るため使用できる場所に限りがあります(バイクのエンジンが回りっぱなしみたいな状態と考えるとイメージしやすいでしょう)。近隣に家がない、もしくは少し離れているような場所なら自宅で使うことも可能かも…?
ポータブル電源と発電機の比較
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燃料 |
・電気(充電) ・ソーラー充電も可能なものがある |
・ガソリン ・カセットガスが併用できる物もある |
電力量 |
大容量なら出力1,000Wのものも。その分(容量が大きくなるほど)高価 蓄電分の電力しか使えず、消費電力により使える時間が大きく変動 ※1000Wの容量の場合、消費電力400Wのものが2時間使えます |
発電機に比べると少なめ
熱を発生させる家電にも使いやすく、炊飯器なども使用可能 エコモード(定格出力の50%)の範囲であれば数時間運転が可能(ポータブル電源よりも長時間使える)。 燃料さえあればさらに長時間運転可能 ※900Vの出力(エコモード使用)で、消費電力400Wのもので3~4時間ほど連続運転可能。 |
出力が大きく、小さなものでも600V。
騒音 | 静か |
70dBでセミの鳴き声、80dBで地下鉄の車内ほどの音なので周囲への配慮が必要 |
騒音値70~75dBなので、音が気になる
メンテナンス |
満充電ではなく60~80%ぐらいで、高温多湿を避け風通しのよい涼しい場所で保管。 充電には時間がかかる |
半年に一回充電が必要
※燃料が劣化して目詰まりを起こし故障の原因になります。 液体燃料のランタンと同じで使用後には必ず燃料を抜くようにしましょう。 |
長期間(30日以上)使用しない場合はガソリンを全て抜き取る必要あり
室内での使用 | 排気がなく、室内使用が可能 | 排気が出るため、室内使用不可 |
寒冷地での使用 |
気温が低すぎると、電池残量が急激に減少することも ※商品によっては-10度でも使える製品もありますが、ほとんどの製品は寒冷地が苦手です。 |
リチウムイオン電池の特性上、低温に弱い
※ただしガス缶使用のものは除く |
寒冷地でも使用可能
長時間の使用 |
停電が長引いたときなど、2日以上になるとバッテリー切れで使用できない場合が多い。ソーラーパネル併用でも、晴天以外は充電効率は低下 |
蓄電した分だけしか使えず、長時間の使用は苦手
※ガソリンは変質しやすいため燃料の長期間保存はできません。燃料が危険物のため保管がしにくい(多人数が集まる場所では保管ができない)点に注意が必要です。 |
ガソリンさえ入手できれば長時間運転が可能
電化製品がどのくらい使えるか知りたい!
「ホットカーペットはどれぐらいの時間使えるのか知りたい!」「どのぐらいの数の家電が使えるかが分からない!」という方も多いはず。実際にどれぐらいの家電が使えるのか、具体例を見てみましょう。
ポータブル電源の使用時間の目安
ポータブル電源は、使える電力量に限りがあります。
下記のJackery BN-RB5-C の場合、炊飯器を使った後だと残りは518Wh-360W=158Wですから、電気毛布は2時間ほどしか使えません。
キャンプで使う場合は「どの電化製品を何時間使うか?」などある程度考えて、どれぐらいの容量が自分に必要になるか計算してみましょう。
例)ポータブルバッテリー Jackery BN-RB5-C の場合

約8時間

約9.5時間

約36時間

約29回

約14時間

約12回

約11時間

約8時間

約7時間

約1回

約1時間

約50分
発電機の使用時間の目安
出力W数の範囲であれば、エンジンが動いている限りは使用可能。複数の電子機器を一度にたくさん使えるのが魅力的です。また、ガソリンがあれば再度運転することができます。
例)発電機 EIGG-600Dの場合




それぞれに最適な用途は?
キャンプや車中泊、釣りなどで使用したい!ということであれば、音が静かなポータブル電源がおすすめ。
但し、使用できる電力量には限りがあるので、使用する家電はできるだけ消費電力が少ない物を選ぶのがベター。製品によってはマイコン制御のものは使えないものもあるので、よく確認してから購入しましょう。
イベントや縁日での露店出店など、野外イベントでの長時間の電力確保には発電機がおすすめ。
また、複数の電化製品を一度に使いたいときなども、発電機に軍配が上がります。災害での停電時を考えて、個人商店を営んでいる方がご用意いただくケースも増えています。こちらも、インバーター搭載の発電機でなければ、マイコン制御の物は使えないので気を付けて。
また、エンジン音がうるさく、近くでバイクを運転しているようなものなので、ご近所へは配慮が必要。キャンプや車中泊での使用も、発電機の使用が許可されているキャンプ場やRVパークのみになります。例え許可されていても、音や排気の問題があるため、夜間使用は控えるなど周囲にも気配りが必要です。
「自分の使用シーンはどうだろう?」「いつ、どこで、どんなときに使うのだろう?」と、一度具体的にイメージしてみましょう。
おすすめポータブル電源と発電機
ポータブル電源、発電機ともに多くのメーカーさんが多くのモデルを販売しているのですが、中でもバイヤーがおすすめの商品を紹介します。
おすすめポータブル電源
何と言ってもイチオシは、見た目もアウトドア向きなJVC Powered by Jackeryの製品!
今キャンパーにもっとも人気のポータブル電源の販売元のJackery社と、国内家電メーカーJVCケンウッド社の共同開発のバッテリーです。安心の国内家電メーカーの品質検査基準をクリアしたポータブル電源で、家庭用コンセントと同じ正弦波だから、幅広い電化製品に使用できます。
ただし、動作温度がー10~40℃なので、気温が40度を超えるような真夏の使用は要注意!故障の原因になりますので、炎天下の中での野外での放置は勿論、締め切ったテントや車の中に置きっぱなしにするのも避けましょう。
ソロキャンプならBN-RB3-C、ファミリーで使用するならBN-RB5-CかBN-RB6-C、もっと大容量の物が欲しいならBN-RB10-Cがおすすめです。専用ソーラーパネルも別売でありますよ!
とにかくコンパクトな物が欲しい人は、メガパワーバンクやenerpadがおすすめ。
マイコン制御の家電は使えませんが、飛行機での移動時にも貨物として載せられるので、旅行の時にも持って行きやすいのがメリットです。出力W数が低いので、ドライヤーや温冷庫などの熱を発する機器には使えないことに注意しましょう。ドローンやカメラ、周辺機器の予備バッテリーとして使う人も多いそうですよ。
おすすめ発電機
カセットボンベ式
ガス缶での発電が可能な「ドリームパワー インバーター発電機 EIGG-600D」がおすすめ。
ガソリンだと燃料保管が難しくなりますが、ご家庭にあるガス缶が使えるのが良いところです。ガス缶なら手に入りやすく備蓄もしやすいですし、扱いやすいのがメリットです。但し連続使用時間が短かったり、ゴミ(空き缶)が出たり、ガソリンに比べるとランニングコストは高くなります。また、ガソリンのみのタイプの物に比べると発電量はちょっと少なめです。
- ガソリン使用と比べて、扱いやすい
- 非常時でも燃料が比較的手に入りやすい
- ガソリンと比較して長期間の保存ができる(備蓄しやすい)
- エンジンのメンテナンスが楽
- 手が汚れない
- 電力あたりの燃料費が高く、ランニングコストが高くなる
- 使用後にごみとして缶が出る
- ガソリン使用と比較して、連続使用時間が短い
ガソリン式
「ガソリンだけの物で問題ないよ!」という方には、EIVG-900DやEIVG-1600Dがおすすめです。
「いやいや!消費電力量が多いからもっと発電量が多い物が欲しい!!」と言う方は、EG-2050DやEG-2060Dをお選びください。但しインバーターが付いていないので、機器の使用が可能か確認の上ご購入ください。
また、動かすのにコツが必要なので、試運転は必ずしてください。試運転時に起動しないようであれば、製造メーカーのサポートセンターに一度ご相談ください。
- ランニングコストが低い
- ガソリンが変質するため、燃料を長期保存できない
- 危険物のため、保管がしにくい
- ガソリンを抜く、使い切る、など使用後のメンテナンスが必要